カシミヤの風合いを復元します。

ウールのようなカシミヤ

初めてのお客様から電話をいただきました。
ネットで「美品」のカシミヤを購入したのだが、どう触ってもウールの、それもあまり良くないウールの感触でショックを受けている。
この風合いを復元できるでしょうか?とのお問い合わせでした。

写真で、その風合いの酷さを分かっていただくことは困難と思いますが、ボサボサ・パサパサ・ゴワゴワでした。
このご相談は決して珍しいものではありません。

ドライクリーニングの繰り返し、お手入れ不足、不適切な保管方法等々の理由で、どんなに良い感触であったカシミヤも、ウール以下になってしまいます。

処理したカシミヤ

処理は、水洗い&栄養補給、濡れている状態でのブラッシング、アイロンで毛並みを整える、蒸気で少しだけ毛を起こしてやる、と言ったところです。
表も裏も、端から端まで、しっかりと処理してやると、繊細なカシミヤの風合いが戻ってきます。

カシミヤの風合いで、?を感じている方、お問い合わせは無料です。
遠慮なくお電話ください。

レースのカーテンにカビです。

レースのカーテンのカビ

レースのカーテンをお預かりしました。
裾のほうに点々と黒いカビが生えています。
窓が結露した際に、なるべく結露を拭くと言われていましたが、どうしてもレースのカーテンにはカビが生えてしまいがちです。

カビを生やさないためには、結露を防ぐのが一番ですが、そのための方策は私の専門ではないので、そちらに譲ります。

カビが発生しても、ごくごく初期であれば家庭洗濯でも除去できますし、レースのカーテンは、基本的には家庭洗濯可なので、早めにこまめにを実践できれば、ご家庭で対応可となります。
今回の写真のカーテンは、軽症の部類に入ると思います。

クリーニング後のカーテン

今回は軽症でしたので、酸素系の漂白剤を使って洗うことで、キレイに除去できました。
しかし症状が進んでしまうと、必ずしも全て除去できるとは限りません。
またカビは生地を傷めますので、カビが酷い品物は、生地の痛みも酷いのです。

場合によっては、カビと紫外線に傷めつけられ、洗うとボロボロということもあります。
酷くなり過ぎないうちに対応ください。

表からシルエットを作っていきます。

身頃をプレス

いよいよ最終的にしっかりとシルエットを復元するために、表側からプレスしてゆきます。
右側の身頃からスタートし、ぐるっと一周くまなくプレスしてゆきます。

ボディーをぐるっと一周仕上げた状態が上の写真です。

ラペルをプレス

続いてラペルをプレスします。
ここは背広の顔ですので、柔らかいシルエットを演出するために、特に工夫を凝らして仕上げています。

一応完成

最後に袖山と肩パッドをプレスし、一応完了となります。
私はここで、完成した背広をトルソーに着せて、少し放置します。
放置し、何度かいろいろな角度から背広を眺め、修正の必要な個所を洗い出します。

裏側からしっかりが大切です。

背側も裏から

見返しを左右とも裏側からしっかり仕上げます。
ここをしっかり仕上げることがとても大切なのは、ここに固く厚みのある芯地が入っており、それが背広のシルエットを作るからです。

見返しに続いて、脇縫い線や背縫い線部分を、これも裏側から仕上げます。
今回の背広は総裏ですから、裏地の縮みを修正しつつ、また裏地のシワも伸ばします。
裏から一通り仕上げた状態が上の写真です。

裏側の最後に袖裏、袖口、肩パッド等を仕上げます。

袖をプレス

裏側からのプレスが終了すると、次はいよいよ表からです。
袖を表側からプレスします。
厚みを薄く(もちろん背広のデザインによりけりですが)、そしてボディーに沿うように仕上げたい部分です。

右袖をプレスし写真を撮りました。

水洗いした背広を仕上げていきます。

水洗いした背広

そろそろ9月に行われる九州松田塾に持参する背広の準備をと思い立ちました。
処理前の写真は撮り忘れましたので、洗い上がりの状態からスタートします。

縫い代や開口部にしつけを施し、水洗いを行います。
洗い上がりを、重りや特殊なハンガーなどを使い、自然乾燥させたものが上記の写真となります。

プレスの第一歩は裏側から行います。

右の見返しをプレス

右側(写真向かって左側、ボタンのある側)の見返し(背広の裏側)からアイロンをあてていきます。
裏側から背広の中にある芯地をしっかり伸ばして復元していきます。

この写真では、右側の見返し及びラペルの裏側を仕上げ、写真を撮りました。
右側と左側では状態が違うのが分かるでしょうか?

ポリウレタン弾性糸の寿命です。

弾性糸が伸びたスカート

お預かりした商品を仕上げていたところ、どうも商品の様子が変です。
所々、波打っています。
波打ちを抑え込むために、色々と工夫してはみましたが、少し時間をおくと元のように戻ってしまいます。

そこでクリーニング前に撮った写真をチェックしてみました。
すると、お預かり時に、既にこの波打ちは発生していたことが分かりました。

クリーニング前の状態

そしてこの商品の履歴をチェックしたところ、2016年からお預かりが始まっていました。
もう6年が経過ということになります。

これらの情報を総合的考え、この波打ちは、ポリウレタン弾性糸の寿命で、弾性糸が伸びて戻らなくなったと確信できました。
部分的に寿命を迎えた弾性糸が伸びたままとなり、生地が波打っているのです。

帆布製のバッグのご依頼です。

帆布製のバッグ

お客様ご愛用の帆布製のバッグです。
白い部分に汚れが目立つので、キレイにして欲しいとのご要望です。

すべて布製なので、ある程度キレイにはできますということでお預かりしました。
真っ白であればかなりキレイに出来るのですが、今回の商品は濃紺もかなりの部分あり、ここから色が出たり、ここの色が褪せると良くないので、あまりきつい処理をしたくないのです。

クリーニング後

クリーニングをし、上記の写真のようになりました。
こういった品物をキレイに保つ秘訣はただ一つです。
汚れる前に洗う!です。

汚れてしまってからでは遅いのです。
家庭でも洗える商品ですから、ここからはこまめに洗って、キレイを保持していただきたいものです。

家庭の洗濯機で洗われてしまいました。

家庭洗濯された品物

お客様がお嬢さんのジャケットを、誤って家庭の洗濯機で洗ってしまったと、当店にお持ちくださいました。
まだ湿ったまま、慌ててお持ちくださったようです。

ハンガーアップして見る限り、そこまで大きく縮んでいるようには見えませんが、元のサイズが分かりませんから、縫い代などの具合を頼りに、とりあえず成形してみるしかありません。

成形したジャケット

エリに黄ばみがありましたので、再度の水洗いと黄ばみ取りをし、普通に仕上げました。
これを実際にお嬢様に着ていただき、これで良いのか?袖が足りないとか、丈が足りないとか、教えていただかなくては次に進めません。

ということで、ちょっと中途半端ですがここで一旦納品です。
試着していただき、更に必要であれば手をかけてゆくということになります。

こういったアイテムを作るのは、なぜ?

トレーナー

なんの変哲もないトレーナーに見えますが、品質表示を見てびっくりです。
全て✖です。
そしてプロのドライクリーニング店にと書いてあります。

モンクレールの商品ですから、けっこうなお値段だと思います。
そしてメンテナンスに関して、全て✖の表示をしておいて、クリーニング店に全責任を押し付ける???
これって健全なメーカーなの?と、モンクレに限らず、このような全て✖製品を販売するメーカーに対して強く感じます。

このような商品をどうしても売りたいのなら、全て✖にし、この商品は使い捨てです、洗濯は想定しておりませんと明記して売って欲しいものです。
それが製造する者の責任ではないでしょうか。

すべて✖の表示