アクリルボアーが寝ています。

ボアーが寝ています

お客様が、息子さんのお気に入りを他店でクリーニングされたところ、ボアーが寝た状態でかえって来たので、何とかならないかと当店にお持ちいただきました。
元の状態が不明なので、どこを目指すかが難しい仕事ですが、ボアーがより起毛した状態を復元してみたいと思います。

水分とドライヤーと掌とブラシを駆使して、寝ている部分のボアーを起こしていきます。

起毛処理後

写真に撮ると、あまり起毛した感じが伝わりませんね。
お客様にも確認いただきましたが、起毛させると全体に商品の色が濃くなりました。
また背中にはエアーブラシでプリント柄が吹き付けてあるのですが、このプリント柄も起毛させると、図柄がハッキリしました。

ウール等の天然素材のボアーであれば、水分とブラシで結構起毛します。
それは、繊維自体に元の状態に戻ろうとする力があるからです。
しかしアクリルは化学繊維で、自ら元の状態に戻ろうとする力がありません。

汚れてボアーが潰れてしまうと、元の起毛状態に戻すのはなかなか困難です。
そうなる前のメンテナンスことが大切です。
具体的には、着用後のブラッシング、これが欠かせません。

着ようと思ったら汗ジミ発見。

脇に汗ジミ

今年は早々に夏物が大活躍しています。
そうするとお客様からのご相談が増えてきます。

洗ってしまっておいて、いざ着ようと思ったら汗ジミがある。
落ちますか?ということです。

写真のような白系、しかも綿とかポリのような素材でしたら、まず問題なく落とせると思います。
ご家庭での仕舞洗いをされたのだとは思いますが、それでは汗の成分が落としきれていなかったということだと思います。

処理後

酸素系の漂白剤を使って漂白をしてやると、上の写真のように汗ジミも、そして全体もキレイになります。
途中の洗いはご家庭でも問題ないと思いますが、仕舞洗いはクリーニングされた方が良いと思います。