カビが生えてしまいました。

カビの生えたベスト

お客様がベストとジャケットにカビが生えたとお持ちくださいました。
ベストの背中部分にカビが生えているようです。
まだまだ初期の状態で、この状態でお持ちいただいたので、生地の表面に生えているだけだと思います。

ドライクリーニング後

これをドライクリーニングしてやると、一見落ちたように見えます(よく見ると跡がありますが)。
しかしこれは、表面にあったものが除去されただけで、根本的には消滅していないと思われます。
このままお客様に返却すれば、またすぐにカビが生えてきます(条件が整えばですが)。

水洗い後

そこで当店では、可能な限り水洗いまで行います。
これで黴臭さも除去できますし、カビの元の栄養分も除去されます。

カビは温度・湿度・栄養分の条件が整えば発生します。
どうにかして条件が整わなくできればOKなのです。
当店のダブルクリーニングでカビの栄養分となるシミや汚れは除去できます(ただし天然繊維はそれ自体が栄養分たりえます)。
あとはお客様の努力で温度と湿度をカビに不適な状態にしていただければ大丈夫です!

エリ汚れをキレイにしてとのご依頼です。

エリが汚れています

エリが汚れており、キッチリと汚れを落としてほしいとのご依頼です。
エリの折り返しはもちろんですが、あごがあたる見返し部分も汚れています。

ドライクリーニング、水洗い、漂白洗いと、使える洗いは全て行いました。
また洗う前の前処理も行い、洗った後の後処理も行いました。
そしてここまで到達しました(下の写真です)。

クリーニング処理後

これでも結構キレイになっているのですが、エリの折り返しの部分に、今少し黄ばみが残っています。
この黄ばみを打ち消す色を加え、より目立たなくします。

完成品

違いが分かっていただけるでしょうか?
これが完成形です!

これはさすがに諦めてください!

ヤケの酷いブレザー

とてもヤケの酷いブレザーです。
ラペルの裏とか、脇の下辺りに、かすかに元の色を残しています。

しかし、こちらの商品はさすがに諦めていただかなくてはなりません。

まずは生地の組成が問題です。
ポリエステルのブレザーですので、染め替えあるいは同じ色で染め上げることができません。
ポリエステルでなく、綿やウールであれば、あるいはポリエステルの割合が半分以下であれば、久松共働センターにお願いして染めていただけるですが、ポリエステルはできないのです(染まらないのです)。

もう一つの点は、こちらが廉価なメーカーの商品だということです。
お客様の思い入れとか、思い出とか、お金に換算できない洋服に込めた思いが存在するとは思いますが、あまり高額な処理は考えられません。

今回は、せっかくご相談いただきましたが、諦めていただくしか方法がありません。