ネット販売で、とあるプレミアのついたトレーナーを購入されたところ、思った以上に脱色等が目立つので、何とかできるか？とのご相談をいただきました。
上記写真もそうですが、写真ではなかなか悪い部分が分かりにくいですよね。
ちなみに上記写真では左側の真ん中辺りに脱色が二か所あり、お客様はこれが一番気になるとのことでした。
まずは汚れを出来る限り落としてしまわなくてはいけません。
汚れの残った状態で色修正しても、色ものりませんし、色も合いません。
汚れを落とした後、カーキーが黄色っぽく脱色していたので、青色を足してやります。
これで上記写真のように、分かっている人には分かるけど・・・というレベルに修復しました。
お客様には、期待していた以上の成果と喜んでいただきました。
夏物のワンピースですが、両方の脇の部分で地色が滲みその外側に汗シミがあります。
写真では分かりにくいかもしれませんが、写真中央の脇の下部分、柄の白抜きの部分が紫になっています。
これが色の滲みです。
その外側が薄く黄色に変色しています。
これが汗シミです。
この両方を除去してくれとのご依頼ですが、色が簡単に動くような衣類で汗シミを取るのはけっこう難しいことです。
汗シミを取るには、通常、酸化漂白を行います。
つまり水を使うのです。
着用程度で色が動く衣類で酸化漂白を行うと、色がますます出てくることが考えられるのです。
色々とテストを行い、方法を決定しました。
シミ抜きで汗シミをまず除去し、ついで高温の水処理で余分な色を除去しました。
これで、普通に着用しても地色は動かなくなったと思います。
汗シミは、着用されたら速やかに水洗いしていただくという対処をとっていただくしかありません。
LEMAIREのパンツをお客様のお母さん経由でどこかのクリーニングへ出されたところ、返ってきたのが写真の状態で、太もも部分の横ジワが気になるとのことでした。
他店の仕事については私もどうされているか詳しくはないのですが、このシワはプレスなどによるシワではなく、恐らく着用時のシワがドライクリーニングしかされなく、かつきちんとアイロンもされなかったため、着用時そのままに残っていると判断しました。
素材は綿100％のデニムですから、洗いの基本は水洗いです。
普通に水で洗い、パンパンと生地を伸ばして干しただけで、お客様が気にされていたシワはなくなっていました。
自然乾燥し、アイロンを当てて完成です！
社交ダンスで使われるドレスのクリーニングを依頼されました。
着用による汗汚れが気になるとのことでした。
しかし洗濯表示は全て✖です。
店に持ち帰り、テストしたところ、水洗いは可能なことが分かりました。
ただし、普通に洗濯機で洗うというわけにはまいりませんから、色々と工夫しなくてはいけません。
洗っても、脱水をしたくない（脱水シワを付けたくありません）ので、脱水せずに、自然乾燥することにしました。
ハンガーアップし、ぽたぽた雫が落ちるのを、タオルで挟んで水分を取っていきます。
幸い、生地がポリエステルで吸水性がありませんから、水分をどんどんタオルに移していきます。
自然に乾燥すると、アイロンでプレスをし、ブラッシングでベルベット部分を整え、作業終了です。
クリーニングに出して、何年もそのままにしており、久々に取り出してみると写真のようにシミだらけだったそうです。
恐らく麻のパンツということで、そのクリーニング屋さんもドライクリーニングだけで納品されたのだと思います。
色々なシミがついており、中には頑固なシミもあるかもしれませんから、納期も料金もそれなりにかかることをお伝えしました。
また、漂白洗いしなくてはいけませんから、地色が薄くなるかもしれないことをお伝えしました。
以上の点についてお客様の了解をいただき、作業に入りました。
思ったほど頑固な汚れはなく、一度の漂白洗いで目立ったものはなくなりました。
お客様からのお申し出で、目立たないレベルになっていればOKなので、今回の洗いはここで終了とします。
今シーズン、これで着用いただき、次回からは水洗いをしていただければ、今回のような状態になることは避けられると思います。
「主人の礼服にカビが生えた」と、礼服二着と背広一着をお持ちくださいました。
カビは、今回のように生地の表面にだけ生えているのであれば、ドライクリーニングをしてやると一見落ちたように見えます。
しかし、一見落ちたように見えるだけで、菌が死滅している分けではありません。
上記の写真はドライクリーニング後ですが、問題が無いように見えると思います。
しかし、これを仕上げてお客様にお渡ししても、半年も保管していたら、またぞろカビが生えてくると思います。
カビは栄養分と温度と湿度の条件が合えば生えますので、私たちクリーニング業者に出来るのは、カビにとっての栄養分である汚れを取り去ってやることです。
なるべく完全に汚れを除去！ということで、水洗いを行いました。
水洗いすればカビは生えてこないか？と言われると、それは保証はできません。
先ほども書きましたが、条件が整えばカビは生えるのです。
まして礼服はウールですので、汚れはなくとも、ウールそれ自体も栄養分となりうるからです。
しかし、水洗いしてやれば、格段に生えにくくなるのは確かです。
あとはお客様のほうで、保管場所をチェックしていただき、温度や湿度を条件に適合しないよう努力していただかなくてはと思います。
今年は早々に夏物が大活躍しています。
そうするとお客様からのご相談が増えてきます。
洗ってしまっておいて、いざ着ようと思ったら汗ジミがある。
落ちますか？ということです。
写真のような白系、しかも綿とかポリのような素材でしたら、まず問題なく落とせると思います。
ご家庭での仕舞洗いをされたのだとは思いますが、それでは汗の成分が落としきれていなかったということだと思います。
酸素系の漂白剤を使って漂白をしてやると、上の写真のように汗ジミも、そして全体もキレイになります。
途中の洗いはご家庭でも問題ないと思いますが、仕舞洗いはクリーニングされた方が良いと思います。
コロナ禍での生活制限も緩和され、季節も良くなってきましたので、お出かけや会食の機会も増えてきました。
お友達との会食で、白色のブラウスの飾り紐に食べこぼしを、そして脇に汗シミが付いてしまいました。
今回は、付いてすぐのご相談ですので、ダブルクリーニング（ドライクリーニング＆水洗い）をしてやるだけで、キレイになると思います。
食べこぼしと汗シミだけなら、水洗いだけでも十分ではないか？と思われるかもしれません。
恐らく、水洗いだけで今回の汚れは落ちるかもしれません。
しかし、食べこぼしには脂分が含まれているかもしれませんし、お出かけですのでお化粧や制汗剤などを使われているかもしれません。
このようなことを考え、安全を期して、油汚れも水溶性の汚れも確実に落としてやろうという意味でのダブルクリーニングなのです。
来店されたお客様が、「この品物をドライクリーニングをせずに、水洗いだけでキレイにしていただけますか？」とおっしゃいました。
理由をお尋ねすると、以前、別のクリーニング店で、同じような防寒具をドライクリーニングしてもらったところ、生地の感じがとても変化したように感じられた経験があるのでと教えてくださいました。
写真のようなアウターは、首回りや袖口などが皮脂で汚れやすく、それを落とすにはドライクリーニングが適していること、しかしお客様のご希望であれば、水洗いの中で皮脂を落としていくことも可能であるとお伝えしました。
そして、水洗いだけでは皮脂の落ちが悪く、どうしてもドライクリーニングが必要という場合にはご相談するということでお預かりいたしました。
水洗いの中で皮脂汚れを取る工夫を行い、写真のようにキレイにすることができました。
これで無事お客様に納品できます。
当店では、なるべくお客様のご希望を叶えたいと思っています。
ご要望をお聞かせください。
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