上着のエリ汚れを修正します。

エリの汚れた上着

年季の入ったエリ汚れの上着をお持ちいただきました。
生地までは傷んでおりませんが、エリは変色までしていますし、袖口(右袖のボタンの下)にも古そうなシミがあります。

シミ抜きで色々な方法をチェックしたところ、シミ自体は目立たない程度まで薄くできることが分かりました。
しかし、そのシミ抜きを行うと、地色も褪色してしまいます。
つまり、シミ抜き&色による補正まで必要という、けっこう手のかかる事案です。

綺麗になった上着

まずシミ抜きを行い、全体を水洗いし、荒仕上してから、色の補正を行いました。
最後にきちんとプレスをして上記のように完成です。
シミ抜きも色の修正も上手くできたと思います。

長期保管でシミが浮いてきました。

シミだらけの麻のパンツ

クリーニングに出して、何年もそのままにしており、久々に取り出してみると写真のようにシミだらけだったそうです。
恐らく麻のパンツということで、そのクリーニング屋さんもドライクリーニングだけで納品されたのだと思います。

色々なシミがついており、中には頑固なシミもあるかもしれませんから、納期も料金もそれなりにかかることをお伝えしました。
また、漂白洗いしなくてはいけませんから、地色が薄くなるかもしれないことをお伝えしました。
以上の点についてお客様の了解をいただき、作業に入りました。

漂白洗い後の麻のパンツ

思ったほど頑固な汚れはなく、一度の漂白洗いで目立ったものはなくなりました。
お客様からのお申し出で、目立たないレベルになっていればOKなので、今回の洗いはここで終了とします。

今シーズン、これで着用いただき、次回からは水洗いをしていただければ、今回のような状態になることは避けられると思います。