「主人の礼服にカビが生えた」と、礼服二着と背広一着をお持ちくださいました。
カビは、今回のように生地の表面にだけ生えているのであれば、ドライクリーニングをしてやると一見落ちたように見えます。
しかし、一見落ちたように見えるだけで、菌が死滅している分けではありません。
上記の写真はドライクリーニング後ですが、問題が無いように見えると思います。
しかし、これを仕上げてお客様にお渡ししても、半年も保管していたら、またぞろカビが生えてくると思います。
カビは栄養分と温度と湿度の条件が合えば生えますので、私たちクリーニング業者に出来るのは、カビにとっての栄養分である汚れを取り去ってやることです。
なるべく完全に汚れを除去！ということで、水洗いを行いました。
水洗いすればカビは生えてこないか？と言われると、それは保証はできません。
先ほども書きましたが、条件が整えばカビは生えるのです。
まして礼服はウールですので、汚れはなくとも、ウールそれ自体も栄養分となりうるからです。
しかし、水洗いしてやれば、格段に生えにくくなるのは確かです。
あとはお客様のほうで、保管場所をチェックしていただき、温度や湿度を条件に適合しないよう努力していただかなくてはと思います。