お客様が、息子さんのお気に入りを他店でクリーニングされたところ、ボアーが寝た状態でかえって来たので、何とかならないかと当店にお持ちいただきました。
元の状態が不明なので、どこを目指すかが難しい仕事ですが、ボアーがより起毛した状態を復元してみたいと思います。
水分とドライヤーと掌とブラシを駆使して、寝ている部分のボアーを起こしていきます。
写真に撮ると、あまり起毛した感じが伝わりませんね。
お客様にも確認いただきましたが、起毛させると全体に商品の色が濃くなりました。
また背中にはエアーブラシでプリント柄が吹き付けてあるのですが、このプリント柄も起毛させると、図柄がハッキリしました。
ウール等の天然素材のボアーであれば、水分とブラシで結構起毛します。
それは、繊維自体に元の状態に戻ろうとする力があるからです。
しかしアクリルは化学繊維で、自ら元の状態に戻ろうとする力がありません。
汚れてボアーが潰れてしまうと、元の起毛状態に戻すのはなかなか困難です。
そうなる前のメンテナンスことが大切です。
具体的には、着用後のブラッシング、これが欠かせません。